2012年05月14日

証券ディーラー「プロの視点」明日の株新聞

前営業日段階で先週末米国市場の下落を先回りしており、ひとまず買い戻しが
先行した本日の株式相場ですが、預金準備率引き下げの伝わった中国市場も振
るわず、東証1部の売買代金は概算1兆円割れ、値下がり銘柄も7割超と戻り
売り圧力が残る状況。短期資金を集める決算銘柄も先行開示の同業決算で反応
を先取りしており、売り買いとも手掛け難い印象があったのではないでしょう
か。

日経平均株価は反発。見直し買いが先行した前場で大台9000円、SQ値9019.3
5円奪回が見られたものの、中国市場確認後は売り直されました。5日移動平均
線(9032.70円)も上値を抑えましたが、積極的に下値を売り込む向きも限られ
ており、全般底堅い推移となっています。

もう一方の株価指数でもあるTOPIXは幅広い銘柄が下落したことで続落着
地に。ローソク足も上ヒゲ陰線、連日の下値切り下げと下押し圧力が確認でき
るのではないでしょうか。

さて、前営業日配信版では「まだ相場の下押し圧力根強い 今は業績確認の時」
と題していました。

SQ算出となった前営業日の指数下落も「時間外取引の米指数先物では、すで
にダウ平均で80ドル前後の下落を確認しており、本日の調整には今晩の米国市
場下落を先回りしている面もあるのではないでしょうか」と見ていましたが、
米国市場は想定内の下落結果に。また、週末も中国で預金準備率引き下げ、ギ
リシャでの挙国一致内閣不成立観測の再総選挙実施の可能性を受けて強弱材料
が揃い、ひとまずは買い戻しが先行しています。

ただ、前述の通りに相場はボリューム不足時間外取引の米指数先物が弱含むな
ど、まだ外部要因も安定しておらず、リスク退避優位と見た戻り売りが上値を
抑えました。前回の「空売りレポート」で提供したウエストホールディングス
<1407>が目標株価を達成するなど、短期資金は行き処を無くし、決算銘柄も先
行開示の同業決算で反応を先取りしている面もあり、決算売りを誘いやすく、
なかなか物色も継続しません。

投資戦略としては、手掛け難い決算シーズンの一巡後を見据えて「選別物色」
のスタンスを推しながら「今は積極的な売買は避け、銘柄選別に充てる時との
見方に変更はありません」としていました。

本日も決算ピークとなった先週金曜日の業績内容を反映した取引が主体でした
が、全体相場、決算銘柄とも振るわない状況では積極的な売買を手控え、業績
確認を進める局面だったのではないでしょうか。しかしながら業績開示の出揃
う今週半ばからは当欄で指摘しているように「選別物色」の様相を強めていく
と見ています。

〜 今日の東京市場から 〜

先週末の米国市場は軟調。前営業日取引終了後に伝わったJPモルガンの取引
損失が投資家心理を冷やしたものの、消費指標の改善が買い材料視される場面
も見られています。

前営業日取引終了後にJPモルガンが証券取引委員会(SEC)に提出した文
書でヘッジ戦略の失敗により、20億ドルの損失が発生したことを明らかにし、
同社株が時間外取引で下落していたことから、時間外取引の米指数先物も軟調
に推移しており、売り先行の立ち上がりに。

ただ、5月のミシガン大学消費者信頼感指数が77.8ポイントとなり、前月の76
.4ポイント、市場予想の76.0ポイントを上回ったことで、買い優勢に転じる場
面があったものの、買い一巡後は戻り売りに押されました。

ダウ構成銘柄では、JPモルガンが9%超の下落、バンカメ、シスコシステム
ズ、HP、メルク、ファイザーらが売られた半面、ベライゾン、インテル、A
T&T、マイクロソフト、ウォルト・ディズニーらが買われています。

ダウ平均株価は、前営業日比34.44ドル安の12,820.60ドル。ナスダック総合指
数は0.18ポイント高の2,933.82ポイントで取引を終えました。

週末では、中国で預金準備率引き下げ、ギリシャでの挙国一致内閣不成立観測
の再総選挙実施の可能性を受けて強弱材料が揃う格好に。為替相場では、米国
時間帯から円売りが優勢となる場面が見られたものの、週明けの東京時間帯早
朝ではユーロ売りも出ており、1ドル79円台後半、1ユーロ103円台前半の水準
で取引されています。

東京株式市場では、前営業日に時間外取引の推移から米国市場の下落可能性を
織り込んでいたほか、早朝のユーロ売りも限定的だったこともあり、見直し買
いが先行。日経平均株価は8986円の反発スタートに。

寄り付き後は、買い戻しで日経平均株価が大台9000円を奪回する場面が見られ
たものの、預金準備率引き下げの中国市場の反応が振るわず、前引けにかけて
戻り売りを浴びました。

昼休みを挟んで円買い圧力も限られたことから、後場では見直し買いで持ち直
す動きに。ただ、戻り売り圧力も根強く、日経平均株価は小高い水準でもみあ
っています。

日経平均株価終値は、20.53円高の8,973.84円。東証1部の売買代金は概算で9
919億円。東証1部の売買高は概算で16億5958万株。値上がり銘柄は391(23%)
に対し値下がりは1198(71%)、変わらずは86(5%)となりました。
posted by ラッシュ at 20:20| Comment(0) | 株式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年04月02日

日銀短観:景況感は横ばい 大企業製造業マイナス4

大企業の業況判断DIの推移.jpg日銀が2日発表した3月の企業短期経済観測調査(短観)によると、企業の景況感を示す業況判断指数(DI=景気が「良い」と答えた企業の割合から「悪い」と答えた企業の割合を引いた数値)は、大企業・製造業がマイナス4と、前回12月調査(マイナス4)から横ばいにとどまり、2期連続のマイナスとなった。

円相場が円安方向に振れたことや欧州債務危機の後退、タイ洪水被害からの復旧など、経営環境は好転しているが、原油高などが景気を下押ししないか、企業は慎重に見ている。

 業種別では、大企業・製造業の16業種中、12月調査から改善したのは6業種だけだった。自動車は、タイの洪水被害で停止していた生産ラインの復旧やエコカー補助金の再開を受け、8ポイント上昇のプラス28と10年9月以来の高水準。電気機械はマイナス17と低水準ながら4ポイント改善した。しかし、原油高に伴う原材料費の上昇の影響で、化学がマイナス14と8ポイント下落、鉄鋼がマイナス17と7ポイント下落するなど、素材関連業種の景況感悪化が目立った。

 大企業・非製造業のDIはプラス5で、12月調査(プラス4)から1ポイント上昇し、3期連続の改善。復興需要を背景に建設が1ポイント上昇のマイナス7となるなど、12業種のうち6業種が上昇した。小売りはプラス9と1ポイント下落したものの、プラス圏内を保っている。

 12年度の想定為替レートは1ドル=78.14円と、11年度に続き70円台を予想している。足元は同82〜83円台だが、企業は円高の再来を警戒しているようだ。一方、3カ月後のDI予想は、大企業・製造業がマイナス3と、3月調査に比べ小幅上昇。電気機械や食料品など10業種が改善を予想している。12年度の設備投資計画は大企業の全産業で前年度比横ばいのプラス・マイナス0%で、低めの数字が出やすい3月調査では、07年度以来5年ぶりにマイナスとならなかったものの、なお横ばい圏内だった。

 中小企業のDIは製造業が2ポイント下落のマイナス10、非製造業は3ポイント上昇のマイナス11。3カ月後のDI予想は製造業がマイナス15、非製造業がマイナス16と依然厳しい。

 【ことば】日銀短観

 日銀が企業の景況感を探るため、四半期(3、6、9、12月)ごとに実施するアンケート調査をまとめたもの。足元の景気動向を示す指標として重視され、日銀が金融政策を決定する際の重要な判断材料にもなる。今回の調査は全国1万894社が対象で、回答率は98.6%。回答期間は2月23日〜3月30日。
タグ:日銀短観
posted by ラッシュ at 20:44| Comment(0) | NEWS | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年03月22日

証券ディーラー「プロの視点」

■■ 〜 明日の株新聞 〜 ■■

米国市場続落に円高基調で折り返すなど、昨晩から外部要因が軟調。東京時間
帯にも中国経済指標軟化が伝わり、下押し圧力の見られた本日の株式相場です
が、節目意識の高い株価指数は下値耐性が確認でき、相変わらず需給妙味に着
目した物色が継続するなど、期末特有とも言える相場環境に変化はありません。

日経平均株価は反発。売り先行の立ち上がりとなり、後場でも下値を試したも
のの、朝方の安値を割り込むことなく、終値では節目10100円、5日移動平均線
(10121.73円)に乗り直してきました。

前営業日配信版では「押しの『深さ』を模索 物色は近視眼的に」と題してい
ましたが、株価指数は文字通りに「押しの『深さ』」を確認すると、底堅さを
発揮しています。

この底堅さを発揮した経緯としては、もちろん指数における節目意識の高さも
ありますが、すでに前営業日にも中国関連を中心とした売りが出ていたことも
挙げられるでしょう。押し目買い意欲の高さも垣間見えますが、売買代金上位
では材料志向の高さが確認できますし、本日の内容からは、まだまだ相場の方
向性は見極め難いところではないでしょうか。

さらに「物色は近視眼的に」としましたが、東証1部や新興など各市場の売買
代金上位銘柄の反応を見ても分かるように、相変わらず需給妙味に着目した短
期物色が継続しています。

新興市場で賑わいを見せていたIPO、医療システム関連では、過熱感など各
銘柄間で明暗が分かれつつありますが、これは東証1部銘柄でも野村ホールデ
ィングス<8604>、グリー<3632>、ソフトバンク<9984>、任天堂<7974>、ネクソ
ン<3659>ら材料注視の流れが高まったことによるものでしょう。

当欄では季節性を踏まえたテーマ視点で「バイオ関連」を挙げていましたが、
レポート銘柄のテラ<2191>が目標株価を達成する活躍を見せ、ナノキャリア<4
571>、ジーエヌアイ<2160>、アンジェスMG<4563>なども物色されました。た
だ、需給妙味で選好されているIPO、医療システム関連などと同じく、徐々
に銘柄間で明暗が分かれつつあります。

「中国経済の先行き懸念」が重しとなり、株価指数の「押しの深さ」を確認し
ながら「近視眼的な物色対象を選好する流れ」が続いていますが、やはり実質
新年度相場入りとなる来週の「権利落ち」後を見据えた展開に移行しつつある
状況でしょう。

■■ 〜 今日の東京市場から 〜 ■■

昨晩の米国市場は続落。住宅指標が予想を下回り、大型株に利益確定売りが出
たものの、直近でも底堅いテクノロジー株には買いが入りました。

全米不動産業者協会が発表した2月の中古住宅販売件数は、前月比0.9%減の4
59万戸となり、市場予想の461万戸を下回る結果に。ただ、前月は速報値の457
万戸から463万戸に上方修正されており、ホームデポなど住宅関連の下値を支え
ています。

ただ、大型株には利益確定が優勢となり、アルコア、キャタピラー、HPの景
気敏感株やシェブロン、エクソンモービルのエネルギー関連、トラベラーズ、
マクドナルドなども安く、株価指数を押し下げました。

一方で、インテル、グーグル、デル、バイドゥ、ヤフーらナスダック所属のテ
クノロジー関連がしっかり。ナスダック指数を支えています。

ダウ平均株価は、45.57ドル安の13,124.62ドル。ナスダック総合指数終値は1.
17ポイント高の3,075.32ポイントで取引を終えました。

為替相場では、株式市場の軟調展開でリスク退避の流れが強まり、ドル、ユー
ロに対して円が上昇。東京時間帯早朝では、1ドル83円台前半、1ユーロ110円
台前半の円高水準で取引されています。

東京株式市場では、米国市場の下落、為替相場の円高推移を嫌気した売りが先
行。日経平均株価は10055円の続落スタートに。

寄り付き前発表の2月貿易統計で黒字転換を果たし、寄り付きでは円高加速を
嫌気した売りが出たことで安く寄り付いたものの、季節調整済みでは未だ赤字
基調と円安志向が確認され、売り一巡後は買い直される展開。日経平均株価は
節目の10100円に乗り直しました。

しかし、昼休みに中国で発表された中国製造業購買担当者指数が前月から減少
し、経済成長鈍化懸念が強まると、後場寄りから売り直される展開。ただ、日
経平均株価の下げ幅が前場安値まで至らず、円安推移とともに持ち直したこと
で、引け前には買い直される場面も見られています。

日経平均株価終値は、40.59円高の10,127.08円。東証1部の売買代金は概算で
1兆2958億円。東証1部の売買高は概算で19億8491万株。値上がり銘柄は986(
58%)に対し値下がりは536(32%)、変わらずは153(9%)となりました。


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         ■■ 〜 本日の注目相場 〜 ■■

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売買代金上位はまちまちの反応。増資インサイダーに絡んだとされる野村ホー
ルディングス<8604>が見切り売りで最上位に進出したものの、ソフトバンク<9
984>、グリー<3632>、ディー・エヌ・エー<2432>ら材料性や外部要因に耐性の
ある銘柄がしっかり。

中国経済指標軟化でファナック<6954>、コマツ<6301>、三菱商事<8058>ら中国
関連とされる銘柄が売られたものの、指数の押し目買い意識から国際優良株で
もあるトヨタ<7203>、ホンダ<7267>、東芝<6502>、日立<6501>らは値を保つ動
きに。メガバンクの三菱UFJFG<8306>、三井住友FG<8316>も底堅く推移
しています。

材料株のネクソン<3659>、任天堂<7974>なども物色を集める動きに。一方で三
菱地所<8802>、三井不動産<8801>、住友不動産<8830>ら不動産が安く、売買代
金上位は反応が二極化しました。

セクターでは、任天堂<7974>擁するその他製品、国際石油開発帝石<1605>の鉱
業、帝人<3401>、東レ<3402>の繊維、ディー・エヌ・エー<2432>、ネクスト<2
120>らネット関連の属するサービス業、グリー<3632>、ソフトバンク<9984>、
ネクソン<3659>の情報通信が値上がり上位となっています。

一方、新日本製鐵<5401>、JFEホールディングス<5411>の鉄鋼、川崎汽船<9
107>、商船三井<9104>の海運、コマツ<6301>、日立建機<6305>の機械、日軽金
<5701>ら非鉄の中国関連が値下がり上位となりました。

個別では、増配のサンリオ<8136>、オークマ<6103>、増額のネクスト<2120>が
材料性に着目した資金を集めています。

新興市場では、東証1部ネット関連が好調に推移したことで、サイバーエージ
ェント<4751>、KLab<3656>、ミクシィ<2121>ら中核ネット関連も連れ高。
ただ、需給妙味に着目した物色も継続し、IPOのライフネット生保<7157>、
アイスタイル<3660>や医療システム関連の日本メディカルネット<3645>、バイ
オ関連のナノキャリア<4571>、ジーエヌアイ<2160>、テラ<2191>などが買われ
ました。

材料株のビットアイル<3811>、佐藤渡辺<1807>、軽量級のJIC<2124>、ニュ
ーフレアテクノロジー<6256>、低位のウィルソン<9610>、ホッコク<2906>など
にも短期資金が流入しています。
posted by ラッシュ at 21:02| Comment(0) | 株式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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