2011年08月13日

フューチャーズ24・外国為替情報 来週の展望

◇来週の展望(株式会社フィスコ提供)

▽ドル・円=「変動相場制移行後の円最高値76円25銭の攻防戦」
 来週のドル・円は、15日の米国債償還・利払いに伴うドル売り・円買い圧力を、本邦通貨当局が円売り介入で下支えするか否かが注目される。ドル・円は、円売り介入が無ければ、75円台へ続落する可能性が高まる。
 日本の4−6月期の国内総生産(GDP)速報値は、3四半期連続してマイナス成長が予想されており、円買い圧力を和らげる可能性がある。

 【15日:米国債償還・利払い】
 15日は米国債の償還・利払いに伴うドル売り・円買い圧力が強まる。本邦の機関投資家や事業法人は、東日本大震災による円資金需要の増大を受けて、リパトリ(外貨建て資産売却・円買い)による円資金の手当てを進めている。今回は償還分も再投資されずに円転される可能性が高いため、ドル安・円高トレンドに拍車がかかることになる。

 【15日:日本の4−6月期実質国内総生産(GDP)成長率予想−2.5%】
 15日に発表される日本の4−6月期実質国内総生産(GDP)成長率は、前期比年率−2.5%と予想されており、予想通りならば、3四半期連続してマイナス成長となる。日本の消費者物価指数は、基準改定により「−0.9%」程度の下方改定となることが試算されており、デフレ経済下の景気減速となり、日銀による追加金融緩和の期待が高まる。

 【中国人民銀行:元高誘導へ政策変更の可能性】
 中国の7月の消費者物価指数は前年比+6.5%となり、中国人民銀行によるインフレ抑制のための追加利上げ、人民元切り上げ観測が高まっている。
 中国メディアが、中国人民銀行が元高誘導へ政策変更の可能性、と報じていることで、人民元の切り上げ発表には要注意か。

 【欧米格付け機関による日本国債格下げ懸念】
 欧米の主要格付け機関は、日本の財政赤字、債務増大懸念から、日本の長期債務格付け見通しを引き下げており、9月末の中間決算を避けて8月中にでも「シングルA」に格下げする可能性が高まっている。日本国債が格下げされた場合は、円売り要因となる。

 【本邦通貨当局の円売り介入】
 本邦通貨当局による円売り介入枠は150兆円、現在約33兆円程度の介入枠が残っている。円売り介入の可能性には、今後も警戒していくべきか。
 来週発表の主要経済指標のポイントは次の通りとなる。

○(日)4−6月期GDP1次速報 −−− 15日(月)午前8時50分発表
 ・予想は前期比年率−2.5%
 サプライチェーン寸断の影響が残り、3期連続のマイナス成長となる見込み。しかし、月次では4月から持ち直しに転じており、7−9月期にはプラス転換するとの見方が強い。ただ、欧米の景気減速懸念や円高リスクが残り、依然として楽観できる状況ではないだろう。

○(米) 8月NY連銀製造業景気指数 −−− 15日(月)日本時間午後9時30分発表
 ・予想は0.50
 7月内訳では、日本の震災の影響から持ち直し「出荷」「出荷頻度」が改善、全体でも縮小幅が鈍化した。ただ、先行性のある「新規受注」は−5.45←6月−3.61と縮小幅が拡大し、「受注残」も縮小に転じた。景気減速懸念は強まっており、下振れの可能性に留意。

○(米)7月住宅着工件数・住宅着工許可件数 −−− 16日(火)日本時間午後9時30分発表
 ・予想は住宅着工が60.8万戸、許可件数が60.6万戸
 参考指標の住宅建設業者(NAHB)指数は、7月15←6月13と上昇し、許可件数にはプラス要因。住宅着工件数は、先行指標となる住宅建設許可件数が6月61.7万戸←5月60.9万戸と堅調なため、前月からの増加が予想される。ともに上振れリスクがありそう。

○(日)7月貿易収支 −−− 18日(木)午前8時50分発表
 ・予想は693億円の黒字
 既公表の7月上中旬の貿易収支は3174億円の赤字。前月は3ヶ月ぶりに黒字転換した。輸出はサプライチェーンの復旧で6月に急回復したが、世界経済の低迷で改善は足踏みとなる見通し。輸入は原材料価格の高止まり、エネルギー資源の需要増で増加基調が続く。

○(米)7月消費者物価指数 −−− 18日(木)日本時間午後9時30分発表
 ・予想は前月比+0.2%、前年比+3.3%、コア前月比+0.2%、前年比+1.7%
 6月のガソリン価格は季節調整済みで前月比−2.8%程度だったため、CPI全体には前月からの押し下げ要因となるため、下振れの可能性も。コアの部分では、先行指標となるPPIが前年比ベースで上昇傾向にあることから、CPIにも上昇圧力があるとみられる。
▽ユーロ
 【独仏首脳会談、ソブリン・リスクへの対応能力への懐疑】
 来週のユーロ・円は、16日に予定されているメルケル独首相とサルコジ仏大統領によるユーロ圏の債務問題に関する協議が注目される。ユーロ圏に投資しているファンドマネージャーの中には、ユーロ圏には、金融政策を統合する欧州中央銀行は存在するものの、財政政策を統合する機関「欧州財務省」が存在しないため、加盟国各国の財政赤字問題の抜本的な解決は困難なのではないか、との懐疑的な見方から、資金を引き揚げる動きが出始めている。フランスの「トリプルA」格付けは、欧州金融安定基金(EFSF)の「トリプルA」格付けを裏付けていることで、格下げされた場合は、ユーロ圏の金融救済システムの弱体化に繋がるため要注意となる。

○発表予定のユーロ圏主要経済指標・注目イベント
 16日(火):(ユーロ圏)4−6月期国内総生産(GDP)速報値
 16日(火):(独)4−6月期GDP速報値
 16日(火):独仏首脳会談
 17日(水):(ユーロ圏)7月消費者物価指数確報
 17日(水):(ユーロ圏)6月経常収支
▽英ポンド
 来週のポンド・円は、17日に発表される英中銀金融政策委員会議事録(3−4日分)、7月の英国の失業率、18日に発表される7月の英国の小売売上高を見極める展開となる。英中銀金融政策委員会議事録では、英国の緊縮財政路線を受けて景気減速懸念が高まっていることで、利上げを主張してきた2名の委員の見解に注目することになる。7月の失業率では、英国の緊縮財政路線が雇用不安に繋がり、暴動の原因となったことで、失業率の高止まりは、ポンド売り要因となる。
 7月の小売売上高は、小売店が夏のセールスを前倒ししたことで、反動による減少が懸念されている。「トリプルA」格付けの英国債が、ユーロ圏・米国のソブリン・リスクからの逃避先となる可能性があるものの、英国債の格下げの可能性も払拭されていないことで要注意か。

○発表予定の豪主要経済指標・注目イベント
 ・17日:英中銀金融政策委員会議事録(8月3−4日)
 ・17日:7月失業率
 ・18日:7月小売売上高
▽豪ドル
 来週は、豪ドルは、やや底堅い動きとなる見通し。米国の追加金融緩和に対する期待が高まっており、世界的な株安は一服しつつある。ドル安・円高の急激な進行を阻止するために、円売り介入が再開された場合、豪ドル買い・円売りが急速に広がる可能性もある。

○発表予定の豪主要経済指標・注目イベント
 ・16日:豪準備銀行8月定例理事会の議事要旨公表
▽NZドル
 来週は、NZドルは下げ渋る見通し。世界的な株安が一服し、金融市場の混乱は収まりつつある。NZ準備銀行(中央銀行)は、政策金利の引き上げ時期を多少早めるとの思惑も浮上しており、金利上昇の期待がNZドル相場を下支えする要因となる。

○発表予定のNZ主要経済指標・注目イベント
 ・17日:4−6月期生産者物価・生産高(前期比予想+0.8%、1−3月期+1.7%)
 ・17日:4−6月期生産者物価・投入高(前期比予想+1.0%、1−3月期+2.2%)
▽カナダドル
 来週は、カナダドルの上値は、やや重くなる見通し。円売り・ドル買い介入の実施を警戒して、ドル安・円高の進行は一服する可能性もあるが、原油価格の下落を嫌気した向きのカナダドル売り・ドル買いはしばらく続くと予想されており、対円でのカナダドル高を阻む要因となる。

○発表予定の加主要経済指標・注目イベント
 ・19日:7月消費者物価指数(前年比予想+2.8%、6月+3.1%)
▽スイスフラン
 来週は、スイスフランは、上値が重くなる見通し。欧米諸国の債務問題に対する市場の懸念は払拭されていないが、スイス政府は、スイスフラン高を阻止するために、あるゆる措置を検討しているもよう。ユーロ、ポンド、ドルに対するスイスフラン買いは一服し、対円レートは伸び悩む可能性もありそうだ。

○発表予定のスイス主要経済指標・注目イベント
 ・特になし

(注)上記の展望は8月12日の夕方時点に作成されたものです。記載されているレートは当社のレートと異なる場合があります。

◇今週のニュース
○米FOMC=13年半ばまでゼロ金利継続、一段の緩和の構え
 米連邦準備制度理事会(FRB)は9日開いた連邦公開市場委員会(FOMC)で、ゼロ金利政策を2013年半ばまで継続する方針を決定した。年初来鈍化が著しい景気テコ入れを狙いにゼロ金利の期間の明示という未踏の領域に踏み込んだ。FOMC後に発表の声明は「景気回復ペースは今後数四半期にわたり、これまでの予想を幾分下回る見込み」とし、今後の景気動向次第では一段の緩和策を打ち出す構えを示した。
 景気について声明は「今年に入ってからの経済成長は予想より著しく緩慢」であり、「過去数カ月間、労働市場は悪化し、失業率が上昇した」と厳しい認識を示した。食料、エネルギー価格の急騰や東日本大震災によるサプライチェーン(部品供給網)寸断など一時的要因は「経済の弱さの理由の一部でしかない」として、景気低迷が慢性的な要因によるものであることを認めた。
 その上で、この先数四半期の景気見通しを下方修正し、「経済見通しの下振れリスクは増加した」と警告した。米国債の初の格下げや欧州債務危機による最近の金融市場混乱なども念頭にあるもようだ。
 一方でインフレについては、最近ではエネルギーや一部商品価格の反落で鈍化し、長期インフレ予想は引き続き安定していると分析。今後数四半期中にFOMCが適切とみなす水準か、これを下回る水準に落ち着くと予想した。
 FRBは金融、経済危機に対応して08年12月に事実上のゼロ金利政策を導入。これまで「経済情勢は(主要政策金利の)フェデラルファンド(FF)金利を長期にわたり異例の低水準とすることを正当化する」と、数カ月間維持する方針を示してきたが、今回は「少なくとも13年半ばまで」と、緩和策の継続を約束し市場金利の低下を促す「時間軸効果」の大幅強化を狙った。この点についてダラス連銀のフィッシャー総裁ら3地区連銀総裁が「長期にわたり」の表現の継続を求め、今回のFOMCの決定に反対票を投じた。

○米国=景気低迷の深刻さ浮き彫り、最低2年間は低金利継続
 米連邦準備制度理事会(FRB)は、9日のFOMCでゼロ金利政策を最低2年間継続する方針を打ち出した。米国債の初の格付け引き下げや欧州債務危機の再燃で一段と高まる米景気の下振れリスクに対応した異例の措置だが、景気低迷が長期にわたって続く可能性にFRBが一段と警戒感を強めたことを印象付けた格好だ。
 FRBは金融、経済危機の真っただ中の2008年12月にゼロ金利政策を導入。それ以降ゼロ金利を「長期にわたり継続」する方針を繰り返してきた。バーナンキFRB議長は先に、これが数カ月間を意味すると説明していたが、FRBは今回、「少なくとも2013年半ばまで継続」と明言し、期間を大幅に拡大した。
 背景にあるのは景気見通しの悪化だ。米経済は年初来著しく減速し、上半期の成長率は1%を割り込んだ。その後も低迷が続き、これまで期待されていた下半期の景気加速シナリオも急速にしぼみつつある。
 東日本大震災やエネルギー価格高騰など景気を圧迫する「一時的要因」(バーナンキ議長)が後退しつつある中で、バブル崩壊以来の住宅市場低迷、失業期間の長期化といった慢性的な国内問題が逆風として改めて顕在化している。
 ゼロ金利導入から既に2年半が経過。今回、さらに2年間継続する見通しとなったが、バーナンキ議長の言うように金融政策は「万能薬」ではなく、米景気の先行きは楽観できそうにもない。

○スイス中銀が追加金融緩和=フラン高阻止鮮明に
 スイス国立銀行(中央銀行)は10日、同国通貨スイス・フランの根強い上昇圧力に対抗するため、追加金融緩和措置を発表した。当座預金残高を現在の800億フランから1200億フランへと1.5倍に拡大。併せて外貨スワップ枠も広げる。
 中銀は声明で「フランは極端に過大評価されている」と指摘。景気と物価安定を阻害するリスクが高まると改めて懸念を表明し、「必要に応じ追加策を講じる」と市場をけん制した。
 当座預金は金融機関が中銀に預ける資金。預金残高の引き上げとともに、外貨スワップ枠の拡大で市中に出回るフランを増やし、通貨上昇に歯止めをかける狙いだ。
 スイス中銀は3日、フラン高対策で政策金利の上限引き下げと金融緩和を断行したばかり。しかし、米国債の格下げや欧州債務危機を受け、リスク回避目的でフランが買われやすい状態となり、追加措置を迫られた。

○ノルウェー中銀=政策金利を据え置き
 ノルウェー中央銀行は10日、主要政策金利を2.25%に据え置いた。欧米で経済の混乱が続いていることを背景に、利上げを見送った。ノルウェーでは非石油関連業で景気が加速。中銀は、インフレを防ぎ、給与と住宅価格の上昇を抑制するため、年内の2−3回の利上げ実施を示唆していた。


◇今週の経済統計

・ 8月 9日(火)  * 7月の中国消費者物価指数(6.5%上昇、事前予想は6.3%上昇)
            * 7月の中国卸売物価指数(7.5%上昇、事前予想は7.3%上昇)
            * 7月の中国小売売上高(17.2%増加、事前予想は17.6%増加)
            * 7月の中国鉱工業生産指数(14.0%上昇、事前予想は14.6%上昇)
・ 8月10日(水)  * 7月の中国貿易収支(315億jの黒字、事前予想は275億jの黒字)
            * 7月の米財政収支(1293.76億jの赤字、事前予想は1350億jの赤字)
・ 8月11日(木)  * 7月のオーストラリア就業者数(100人減少、事前予想は1万人増加)
            * 7月のオーストラリア失業率(5.1%、事前予想は4.9%)
            * 6月の米貿易収支(530.67億jの赤字、事前予想は480億jの赤字)
            * 米週間新規失業保険申請件数(39.5万件、事前予想は40万件)
・ 8月12日(金)  * 6月のユーロ圏鉱工業生産指数(0.7%減少、事前予想は横ばい)
            * 7月の米小売売上高(0.5%増加、事前予想は0.5%増加)
            * 8月の米ミシガン大学消費者信頼感指数・速報値(54.9、事前予想は63.0)

◇来週の経済統計発表予定

・ 8月15日(月)  * 8月のニューヨーク連銀景況指数(1.40の予想、前月は−3.76)
・ 8月16日(火)  * オーストラリア中央銀行・理事会議事録
            * 今年第2四半期のユーロ圏GDP速報値
             (前期比は0.3%の上昇予想、第1四半期は0.8%上昇)
             (前年同期比は1.8%の上昇予想、第1四半期は2.5%上昇)
            * 6月のユーロ圏貿易収支(14億ユーロの赤字予想、前月は±0)
            * 7月の米住宅着工件数(61万戸の予想、前月は62.9万戸)
            * 7月の米鉱工業生産指数(0.4%の上昇予想、前月は0.2%上昇)
            * 7月の米設備稼働率(76.9%の予想、前月は76.7%)
・ 8月17日(水)  * 6月のユーロ圏経常収支(前月は52億ユーロの赤字)
            * 7月のユーロ圏消費者物価指数・確定値
             (前期比は2.5%の上昇予想、速報値は2.5%上昇)
            * 7月の米卸売物価指数(0.1%の下落予想、前月は0.4%下落)
            * 同コア指数(0.2%の上昇予想、前月は0.3%上昇)
・ 8月18日(木)  * 8月の米消費者物価指数(0.2%の上昇予想、前月は0.2%下落)
            * 8月の同コア指数(0.2%の上昇予想、前月は0.3%上昇)
            * 米週間新規失業保険申請件数(前週は39.5万件)
            * 8月のフィラデルフィア連銀景況指数(4.4の予想、前月は3.2)
            * 7月の米景気先行指数(0.1%の上昇予想、前月は0.3%上昇)
            * 7月の米中古住宅販売件数(490万戸の予想、前月は477万戸)
・ 8月19日(金)  * 特になし

(注)上記の予定は予告なく変更される事があります。

◇IMMポジション(米CFTC報告)

(大口投機玉のみ掲載、08月09日現在)
ロング 前週比 ショート 前週比
円 53386 ▼ 25469 11237 ▼ 8785
ユーロ 49029 ▼ 9284 57302 △ 752
ポンド 41290 ▼ 1976 41045 △ 2918
豪ドル 40840 ▼ 50512 11824 ▼ 3930
カナダドル 38872 ▼ 18610 15168 ▼ 1277

posted by ラッシュ at 11:23| Comment(0) | FX | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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